システム概要
プロジェクターを使い、従来の表示器の設置が困難だった様々な形状の棚やラック、床面や壁面にも画像、文字、数字、QR コードなどを直接投影できるピッキングシステムです。画像認識、センサー認識など、現場の環境に合わせた様々なポカヨケ機能が搭載可能です。工場の組立ラインや物流センターでのピッキングや仕分け作業に活用されています。
【強み・特徴】
- ・現在500システム以上稼働中
- ・用途に応じて選べる10種のシステム
- ・電気工事不要(シンプルな機器構成で設置や変更が簡単)
- ・専用のレイアウトツールで簡単設定
- ・現場環境に合せて各種ポカヨケ選択可能
- ・投影による自在な表現で作業手順をナビゲーション
- ・コンベアなど様々な物流関連設備や外部機器との連携した運用も可能
システム構成
システム開発の背景(カメラ方式タッチパネル採用について)
当社は表示器を主軸に有線方式、無線方式をお客様に提供してきましたが、棚板の厚みが 20mm を下回る場合など既存の製品ラインナップでは物理的に設置が出来ない棚を、ご利用のお客様がいることが分かってきました。この潜在的なユーザー層を掘り起こし、新たな販売へとつなげていくためプロジェクターを用いた表示方式を考案、開発を行いプロジェクションピッキングシステムとして多様なお客様のご要望に応えてきました。
物理的なスイッチを持つ表示器を用いた仕組みに比べ、プロジェクションピッキングシステム®は光によって作業指示を行うため、次へのトリガーアクションがありません。当社として、これを解決するにあたり、空間を監視できる仕組みとして以前より着目していた、ニューコム社製カメラ方式タッチパネルを採用することにしました。
いわゆる「ポカよけ」「ポカミス防止」などの言葉で表現される作業者のミスを可能な限り発生させない、後工程に影響させないことを目指しており、カメラ方式タッチパネルも当社の考えにマッチした物でした。カメラ方式タッチパネルを「ポカよけスクリーン」と表現して、プロジェクションピッキングシステム+ポカよけスクリーンとして数多くのお客様に設置させていただいています。
表示器は CONFIRM ボタンがあり、これを押下することで次のアクションにつなげることが出来ます。これと同等の仕組みを構築することで、自然な作業手順となり、お客様に安心してご利用頂けるものと考えます。そのため、社内にてプロジェクター、およびカメラ方式タッチパネルを制御する専用のコントローラを開発しました。カメラ方式タッチパネルは 2 次元空間を監視し、遮蔽物の座標を検出できる事から、これを表示器の CONFIRM ボタンと同等となるように制御を行うことで、表示器と同等の制御が可能になりました。
カメラ方式タッチパネルを採用させていただき 5 年になりますが、当社からの様々な要求にも、ニューコムさんにはフレキシブルに対応していただいています。それが継続して利用させていただいている理由です。これからもよろしくお願いいたします。
システム導入実績(利用形態)と効果
当初は、調剤薬局など表示器の設置に適さないお客様を想定していましたが、実際に販売を行ってみると工場系(住宅設備メーカーや自動車メーカーなど)でも数多く引合い、ご注文をいただいています。プロジェクターを用いた光によるガイドとして始めましたが、裏を返せば映像や画像なども表示することができる仕組みであり、生産現場で日常的な光景の一つとして作業手順書を横において作業を進める、作業箇所を指差し確認しながら正確な作業を行う場面で、紙ではなく映像や画像を表示して工程を進めることができます。ポカよけ、ポカミス防止と合わせて、現場の「整理整頓」にも貢献しています。
今後について
プロジェクションピッキングシステム®は、表現力を向上させ、また広範囲な表示を目指して日々開発を進めています。プロジェクションピッキングシステム®の展示は本社のショールームにて様々な事例で紹介しています。また、「LIVE ショールーム」という形で WEBによるショールームの案内、打合せが可能で遠隔地からオンラインで複数人同時の参加が可能です。ご来社が難しいお客様にご活用いただいています。ぜひ多くの方々にこのシステムをご覧いただき、物流・製造業の課題解決につながれば嬉しく思います。
販売実績の増加に伴い、多様な業種からの引き合いもあり、汎用性の向上に向けて改良や機能追加の開発を進めて行く次第です。空間を認識するいろいろなセンサーと組み合わせて毎年進化していますが、この過程において確実なトリガー取得も必須課題であり、これの解決に向けてニューコムさんには、カメラ方式タッチパネルのフレームレス化を相談させていただいています。